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ベル麻痺

ベル麻痺は急に起こる顔面神経麻痺(まひ)です。ベル麻痺は、寒冷刺激、過度の飲酒、精神的ストレス、過労などと関係があって、寒いところで顔が冷やされたあと、はれて神経が周囲の骨に圧迫されまひとなる説や、アレルギー、ウイルス説などがあります。

顔面神経に酸素と栄養を供給する血管が細くなって、筋肉が十分な酸素と栄養を受け取ことができなくなり、障害が起こるとする説もありますが、まだ不明な点が多いようです。ベル麻痺は、顔面の筋肉を刺激する第7脳神経(顔面神経)の機能不全により、顔の片側の筋肉に突然の脱力と麻痺が起こる病気です。

顔面神経麻痺が起こると、顔の筋肉が麻痺して顔が曲がった状態になります。 ベル麻痺の中に、ウイルスが原因となっている例がしばしば認められます。最近ではこれらのウイルスがベル麻痺の原因の多くを占めることが分かってきました。およそ10万人に23人の割合で何らかの時期に発症します。

腫れによって神経が圧迫され血流が減少します。単純ヘルペスウイルスによるウイルス感染であることを示唆する証拠があります。米国北東部では特に、ライム病もベル麻痺の一般的な原因です。黒人では、サルコイドーシスも一般的な原因です。

症状

ベル麻痺の最初症状は耳の後ろの痛みで、顔の筋力低下が起こる数時間から1~2日前に現れます。ベル麻痺では顔面の脱力は突然に起こり、軽度の筋力低下から完全な麻痺までさまざまです。顔の上部が侵されると、障害が起きた側のまぶたが閉じにくくなったり、閉じ方が不完全になったりします。

完全に閉じることができないため、眼が乾いて痛み、眼が傷ついたり失明に至ることさえあります。また、眼を閉じようとすると眼球が上方に回転する傾向があります。ベル麻痺は、唾液の産生や舌の前部にある味覚、または涙の産生を阻害することがあります。

侵された側の耳では、鼓膜を伸展させる筋肉が麻痺するために、音が異常に大きく聞こえる聴覚過敏と呼ばれる状態が起こります。ときには、顔面神経の治癒に伴って異常な接続を形成するようになり、そのためにいくつかの顔面筋が予想外の動きをしたり、唾液の分泌中に眼に涙がたまる「クロコダイルの涙」と呼ばれる現象が現れたりします。

診断

ベル麻痺の診断は、症状に基づいて行われます。脳卒中による脱力は、顔全体よりも顔の下側だけに急に起こるため、ベル麻痺と区別できます。また脳卒中では、片側の腕や脚の筋力低下を起こすのが典型的です。顔面神経の麻痺を引き起こすその他のまれな病気は、症状の現れ方が遅いため、ベル麻痺とは区別がつきます。

そのような病気には脳腫瘍、顔面神経を圧迫するその他の腫瘍、中耳や乳突蜂巣の感染症、頭蓋底の骨折などがあります。ライム病やサルコイドーシスのチェックには、血液検査が行われます。ベル麻痺に特有の検査はありません。

見通し

顔面神経麻痺の顔面麻痺が部分的な場合は、当院の鍼灸治療でほとんどの顔面神経麻痺が完全に回復します。