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顔面神経麻痺の合併症・予防・予後

顔面神経麻痺の合併症は慢性の味覚の消失(無味覚症)、慢性顔面痙攣、角膜感染症です。角膜感染を防ぐためには、睡眠時や休息時に眼帯をしたりテープで眼を閉じる、または人工涙液の点眼薬や眼軟膏を使用することが特に完全麻痺の場合には推奨されます。

閉眼が完全にできない場合は、反射も低下するため、眼の外傷には充分気をつける必要があります。顔面神経麻痺の他の合併症として、顔面神経が不完全、あるいは誤った再生をすることがあります。損傷した神経が再生する際に、全体的にはもともとの経路に沿って正しい目的地にたどり着きます。

しかし神経線維の中には、わき道にそれているものがあり、これが共同運動と呼ばれる状態を引き起こします。この結果、ある部分を動かすと、別の部分が一緒に動いてしまい、眼を閉じると、口角が不随意的に上がってしまうようなことがあります。

このほか回復後に、まれにワニの涙症候群を呈する顔面神経麻痺患者もいいます。食事の際に涙が流れてしまいます。これは顔面神経の唾液腺と涙腺を支配する神経の再生が誤った結果と考えられています。

予防

寒冷刺激を避ける。顔に風当たりを避ける。過労を避ける。

予後

顔面神経麻痺の完全麻痺では、最初の2週間以内に改善が見られた顔面神経麻痺患者ではほぼ完全に寛解しますが、改善が3週間以降に見られたかまたは改善しなかった顔面神経麻痺患者では、多くの顔面神経麻痺患者に後遺症が残りました。

10歳以下の若い顔面神経麻痺患者では予後がよく、一方61歳以上の顔面神経麻痺患者では予後は相対的に悪いです。